DIYの作品についての紹介だけではなく、幅広いDIYに応用できそうなコツとかノウハウを少し紹介したいと思います。
木ねじは無くてはならない存在
木材やベニヤ板を使ったDIYで無くてはならないのはコーススレッドなどの木ねじ類です。
木工用ボンドなどを使用する場合もありますが、手軽さでは木ねじにはかないません。
特に物置小屋などのDIYの際には、様々な長さ・種類の木ねじを、1万本近く使用しました。
これらすべてを無くし、ほぞ組や接着剤を使うことは、ほとんど不可能です。
特に、ドアやサッシ周り、電気設備は木ねじの使用が前提となります。
木ねじの強度とは
例えば、木の柱にベニヤ板と打ち付けるとして、木ねじがどのようにして強度を確保しているのか考えてみましょう。
上の図のように木ねじを打ったとします。
その場合、A方向にベニヤ板を引っ張った時の強度は、木ねじの強度に依存します。要するに、木ねじのネジ部分が柱に食い込んでいることによる引っ張り強度と、木ねじの頭が飛んでしまうか、頭がベニヤに引っかかっている分の強度などです。
これは、ネジの本数を増やすことや、太いネジなどに変えるなどで向上できます。
次にB方向(上でも下でもいいですが、どちらか)にベニヤ板を引っ張った時の強度です。
こちらは、木ねじの強度だけではなく、木ねじがベニヤ板を柱に押し付けていることによる摩擦力によって強度が決まります。ですので、柱とベニヤ板の表面がザラザラしているなどの場合は強度が高くなるわけです。場合によっては、木工用ボンドなどを塗布したうえでネジを打つことで、更に強度アップができます。(これはA方向に引っ張る場合にも効果的です)
木ねじがしっかり奥まで打ち込まれておらず、十分に柱とベニヤ板が密着していない場合は摩擦力が働きません。ネジだけで支えることになり、ネジ単体での強度となってしまいますので、ネジをしっかりと固定することがとても大事、というわけです。
また、ねじを打つ場所を分散させることで、木材のたわみによる隙間が防止され、広い面で密着するようになります。
木材のたわみによって、目に見えて板が浮くことは少ないですが、ネジを打つとこんな感じで木に力がかかります。つまり、この2本のネジの間にもう1本ネジを打つと、更に密着することがわかると思います。
木ねじの選び方(太さ・長さ)
木ねじは、太いと強度が増しますが、太すぎると木材が割れてしまい、逆に強度が落ちる場合もありますので、下穴を開けたりするか、程々の太さにしてください。
長さですが、これは材料の厚みによって変わります。
当然、合計の板厚よりも長いものは意味がありませんし、出っ張ったねじ先で怪我をすることも考えられるので、それよりは短いものになります。
また、例えば柱に壁を付ける時、つまり板が垂直に立っている時に必要な強度は、板が重力で下に下がることを防ぐためのものです。この場合、柱とベニヤ板との密着強度が大切ですので、そんなに長いネジは必要ありません。とは言え、作業性を考えなければ、先が貫通してしまわなければ長くても構わないので、入手性が良くてコストも安いコーススレッドの65mm、75mmが無難でしょう。個人的には51mmが使い勝手がいいので好きですね。
木ねじの選び方(全ねじ、半ねじ)
長い木ねじは半ねじのことが多いと思います。半ねじとは、先から途中までしかネジになっていなくて、ネジ頭の近くはただの針金状態なねじのことです。
反対に、すべてにネジを切っているものを全ねじと呼びます。
どちらを使用するのがいいか、と悩むこともあるかと思います。
これは、先に書いた、強度と関係があります。
木ねじのネジになっている部分が長くなっても、引っ張った時の強度はあまり変わりません。頭の方の強度が先に限界となってしまいます。
ですので、ある程度長いネジの場合は、全ねじだろうが半ねじだろうが、ネジ自体の強度はあまり変わらないのです。
ただし、木材同士を密着させることによる強度を考えた場合、太い木材同士なら半ねじを使った方が強度がでます。
上の図の場合、半ねじの方が強い場合が多い、ということです。
何故かと言うと、半ねじのネジがない場所は木材に対してフリーになっています。実際にこういう条件でネジを打ったことがある人は体験的にわかると思いますが、全ねじで木材同士をねじで締めると、木材と木材の間に隙間が空いてしまいます。
なので、この場合であればオレンジの木材にねじが掛からないような種類の半ねじを使用するのが、最も強度が高くなります。(少々違っていても問題無いですが。)
上の図だと、なんだか全ねじのほうが強度が強いように見えますが、目的が木材同士の結合の場合は、そうならないのです。
ただし、柱とベニヤ板を付けるような場合は、ベニヤ板の厚みが12mm程度とそれほどではありませんので、全ねじでもしっかり締め込めば、きちんと密着しますので問題ありません。
逆に木材の表面に例えば金属のフックを取り付けるような場合や2×4金物のようなものを取り付ける際には、全ねじを使用します。
インパクトドライバの使用について
ドリルドライバだと、あまり長いねじだと最後まで締められずに止まってしまうことがあります。
もちろんインパクトドライバでも止まったり、時にはねじが折れたりすることはあります。ですが、よく使用される75mm程度のコーススレッドをスギやヒノキなどの木材に使用するくらいでは、ほとんど問題ありません。
ねじはものすごい数を使用するので、インパクトドライバだと高速に打ち込めますのでメリットは大きいです。
例えば、75mmのコーススレッドを1本打つのに手だと1分かかるところが、インパクトドライバなら3秒もあれば打てます。(実測ではありません、感覚です)
そして、手で締めるのは多分10本もやるともう限界でしょう(笑)
DIYの場合、バッテリー切れや長期保管時の経年劣化の心配のいらない、AC100vのコード式のインパクトドライバをおすすめします。コード式の方が安いですし。
僕が使っているのは、リョービのCID-800という機種ですが、これでもトルクは十分です。感覚的には、120mmの太軸コーススレッドを下穴なしの米松などの硬い木材に打ち込んだ時に、途中で止まってしうことがあるかどうか、というくらいのトルクです。(笑)
杉や檜だと楽勝でしょう。
今まで2万本程度のねじを締めましたが、まだ壊れていません。
今は後継機種の「CID-1100」になり、更にトルクも増しているので、これで困ることはないと思います。
ドライバビットについて
ドライバビットですが、ほとんどの木ねじで使用する番手はNO2です。ただ、細軸のねじだとNO1を使うこともありますので、その2つを揃えておけば十分でしょう。
数千本くらいねじを打ち込むとビットが欠けると思いますので、良く使うNO2は予備を持っておきましょう。
できれば、ビットの長さも数パターン化あればベストですが、普段は短いものがブレが少なくて使いやすいです。
ですが、短いと使いにくいこともあるので、長いものも1本あると助かります。
木ねじやコーススレッドをうまく使うコツを別記事に書きましたので、そちらも参考にしてください。
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