熊野古道-赤木越~大日越
熊野古道(中辺路)のうち、発心門王子から赤木越を経て湯の峰温泉、そして大日越で熊野本宮大社まで、約11kmを歩いてきました。
【ルート】
【タイムスケジュール】
赤木越(7.6km):発心門王子9:30 – 猪鼻王子跡9:46 – 赤木越分岐9:58 – 三頭越分岐10:30 – 柿原茶屋跡11:30 – 12:22湯の峰温泉
大日越(3.0km):湯の峰温泉12:52 – 月見ヶ丘神社13:28 – 14:00熊野本宮大社駐車場
【赤木越概要】
赤木越のうち、発心門王子から赤木越分岐までは標高差約60mの下りです。そのあと一気に約160m登りますが、登山をしている人にとっては余裕だと思います。登りきってからは緩やかなアップダウンが続きながら徐々に標高を下げて、最後に250mほど下って湯の峰温泉に着きます。
普段山歩きをしている人だと、2時間かからないと思います。
【大日越概要】
湯の峰温泉からだと180mくらいを一気に登ります。赤木越から正面の山を見て、これ登るのはキツいよな~と思っていましたが、あっという間に登りきってしまいました。その後は峠を越えると、階段の道をずっと降りることになります。普通なら1時間もあれば充分でしょう。
◆
熊野古道を歩くにあたって、前泊として宿泊したのが川湯温泉の「川湯みどりや」という旅館。
ちょうど「仙人風呂」という河原に大きな温泉が掘られている時期だったので、どんなものかと入ってみました。
雪の舞う気候でしたが、お湯はかなり熱くて長時間入っていることは難しいくらい。旅館にも河原に専用の露天風呂が付いていて、そちらのほうが景色も良く、整備もされていて良かったです。
仙人風呂は河原なので、砂利が痛くて…(^^ゞ
さて、「川湯みどりや」に宿泊すると、サービスで発心門王子まで送ってくれるサービスがありました。
自分の車は先に熊野本宮大社の駐車場に置き、そこで送迎用のワゴン車に乗り換えて発心門王子まで行きます。
発心門王子までは、車だとすぐ。ただ、ずっと登りなので、歩いて行くにはしんどいかな。バスもあるようなので、それを利用する方がいいでしょう。
発心門王子にお参りしたあとは、通常のコースとは逆方向に歩きます。ちょうど発心門王子の向かい側に道が伸びていて、そちらに向かいます。赤木越分岐までは、しばらく下りです。
分岐などでは標識がしっかりとあるので、迷うことはありません。ただ、しばらくは「猪鼻王子」という社に向かって歩きます。(標識には「赤木越」という文字はありません。)
このコースはほとんど人はいませんが、道はしっかり整備されていて歩きやすいです。ちなみに、この日の赤木越では誰ともすれ違いませんでした。
しばらく道を下っていくと、林道に合流します。少し雪があります。
標識にも雪が少し積もっていました。
しばらく林道を歩くと、猪鼻王子の方に降りていく分かれ道があります。
赤木越分岐まで行くのには、林道をそのまま歩いても大丈夫です。猪鼻王子が林道から少し離れた所にあるだけで、また林道に戻ってきます。
猪鼻王子を越えて林道に戻り、しばらく歩くと船玉神社がありました。
船玉神社の右横には玉姫稲荷があります。
熊代敦子さんの献詠歌の碑があります。
手水も苔むしていて、風情がありますね。
さて、またしばらく歩くと赤木越分岐に着きました。歩きはじめて、ここまでで30分くらいです。
赤木越分岐が、赤木越の起点となります。この先、500mごとに数字が書かれた標柱があります。(赤木越は約5.9kmで、1~11まで番号が振られていました。)
赤木越起点を過ぎるとすぐに左手の橋を渡ります。間違えてまっすぐに行かないように…
橋を渡ると、ここからしばらく登りが続きます。
標高差は約160mです。
木の上にあった雪で小さな雪だるまを作ってみました。
このあたりが最も積雪が多かったです。それでも5cmほどでしょうか。
標高、緯度からすると、それでも多い方ではないかと思います。
尾根道まで登りきると雪はそれほどありません。
ここからしばらくは小さなアップダウンを繰り返しながら快適に歩くことができます。
このルート、全般的に展望は良くないのですが、ところどころ少し開けた場所があります。
鍋割地蔵というのがありました。
僕の家のそばにも「かめわり地蔵」というのがありますが、なんだか似ていますね。
柿原茶屋跡までもうすぐ、という所に小さなお社がありました。
柿原茶屋跡です。
ルートはこの茶屋跡の右手奥に向かっていきます。
道には木の根がびっしり。
躓いてコケないように…
湯峯への道標なるものがありました。
道標を過ぎるとあとはずっと下りです。
一気に湯の峰温泉まで降りていきます。
逆に、正面に見える大日越のために、同じだけまた登り返さないといけないのかと思うと、ちょっと気分が萎えますね…
さて、湯の峰温泉に到着しました。
ここまで3時間弱。子供の足ということもあってゆっくりペースですが、3~4時間程度という目安時間に対して、それほど遅くはなかったようです。
湯の峰温泉では卵などを買って、自分でゆで卵を作ることができます。時間の関係でやりませんでしたが…
公衆浴場の前に東光寺があります。
また、その横では温泉水が買えるようです。前の商店でポリタンクを売っていました。
気合を入れ直して続いて大日越。
つぼ湯の横を抜けて、山に入ります。ちょっと分岐があってわかりにくいところがありましたが、左に行ってみました。ただ、どちらでも行けるのかもしれません。
登りに入ると、後は一本道。標高差で180mくらい登るのですが、思ったよりすぐ登りきれてしまいました。
天気が良いと、木漏れ日の中の道を歩く感じで気持ちがいいです。でも花粉症の人には辛いかも?(笑)
石碑がありました。
下りに入ってしばらく降りていくと、月見ヶ丘神社がありました。
この下りはほとんどずっと階段です。苔が多いので、雨の日は滑りやすいかも?
降りきると本宮の近くに出ます。
本宮側の入り口はちょっとわかりにくいかも。
国道に出ると、反対側に鳥居があります。
ここが熊野本宮大社の旧社地である大斎原(おおゆのはら)に向かう入り口です。
ちなみに、この中は撮影禁止です。個人使用の場合は、社務所に申し出ればOkのようですが、こちらへの掲載は控えます。
大斎原を出ると大鳥居があります。
日本一の大きさらしいです。土台の石だけで高さ2m以上ありました。
最後に熊野本宮大社に参拝しました。
こちらも中は撮影禁止とありました。
トータルで歩行距離10mちょっと。
普段から歩いていない人にはキツい距離だと思いますが、登山が趣味の人にはハイキング気分で歩ける道ですね。
熊野古道の中では、今回の赤木越、大日越はごくごく一部です。
機会があれば他の道も歩いてみたいと思います。