ついに、瓦を取り付けていきます。
いよいよ瓦の取り付け!
瓦は屋根に向かって一番左下を最初に付けます。(ただし、瓦の種類によっては逆に右から付ける物もあります。)
で、取り付け順番ですが、上に向かって取り付けていって、上までいくと次の列、って感じで順に取り付けを行います。(下図の通りです)
おっと、その前に。
一番左側(上の図であれば、1~5の部分)と一番右側は、専用の瓦があります。(切妻屋根の場合)
これは、破風側から屋根の下に雨が入りにくいように、のれんのように垂れ下がっている瓦(コーナー瓦)です。
で、そのコーナー瓦を付けたら、その切り欠けにぴったり収まるように、次の瓦が取り付けられるようにできています。(ただし、瓦は焼き物なので、若干の個体差や不良品もあります。完全にピッタリにしていくと、だんだん歪んできたりします(^_^;)
釘は、瓦と瓦が重なる所に釘穴があります。(ちょうど、瓦残に刺さる位置)
また、コーナー瓦が風で浮き上がらないようにするなど、重ならない位置に付ける場合には、瓦専用のビスがありますので、そちらを使用します。(下穴を開けておく必要があります)
感覚的には、コーナーが付いたら、それ以降の普通の瓦の取り付けは簡単。
(ただし、屋根に瓦を上げたり、運んだりと、労力はそれなりに掛かりますが)
今回僕が使用したのは、S瓦というタイプです。
S瓦は山と谷が1枚の瓦でできています。他に、洋風の瓦では山と谷が別々の瓦でできている物もありますが、こちらは施工が少し面倒ですね。
ただ、S瓦の場合、注意しないといけないのは、右側のコーナーの部分と接する箇所には、山部分だけになっている専用の瓦(ハーフ)が必要になる種類があります。(コーナー瓦が、ハーフを兼ねているタイプもあります)
この図では、ピンク色の瓦がハーフになります。
今回、ハーフ瓦が売り切れだったので、仕方なく普通の瓦をダイヤモンドカッターで、ハーフ瓦の形状にカットして使いました(^_^;
これで、棟部分を除いて、瓦の取り付けが完了しました。
棟工事の手順
続いて、一番の大物、棟瓦の取り付け(棟工事)を行います。
この部分、棟がしっかりしていないと、そこから雨水が入り込んでしまいますので、かなり重要度は高い工事と言えますね。
棟工事の手順は以下の通り。
- 棟の部分の下地になる木材を、ど~んと渡す
- 次にその木材と、側面の瓦を覆う形で「南蛮漆喰」を盛る
- 最後にその上から棟瓦を被せて、上から固定する
言葉で書くと簡単ですね(^^ゞ
それでは、順に説明します。
棟の下地には、今回垂木に使用した米松が余ってましたので、そちらを流用しました。
本当は、屋根の上に等間隔で綺麗に付けられる、専用の金具(棟受け金具)があるのですが、近くのH/Cでは手に入らなかったので、スペーサーを入れて、強引に長ビスで屋根に固定しました(笑
長さは、棟の両端に止め瓦(和風なら鬼瓦等が付く位置)が付きますので、それを付けられるようにピッタリ測る必要があります。
南蛮漆喰の施工
南蛮漆喰は、瓦用に調合されて、開封すればそのまま使える物が販売されていますので、それを使用します。(H/Cで売っていました)
それをバケツに入れて、屋根に上がって金コテで隙間をふさぎ、下地木を覆うように盛っていきます。
できるだけ平坦になるようにしますが、コレは結構難しいです。(割れにくくする為のスサ(稲藁など)が入っているので。)
最後に棟瓦を乗せる
塗り終わったら、片側の止め瓦を付け、棟瓦を順に固定していきます。
最後、棟瓦の長さが半端になった場合はカットして固定。止め瓦を止めると終了です。
これで瓦の取り付けは終わり。長かった~
雀返しの取り付け
まず、雀返しとは??
コレは、軒先部分の瓦と屋根の隙間、ここが開いているので、雀などが入り込んで巣を作るのを防ぐ物です。
#敢えて雀のために巣の場所を提供したければ、付ける必要はありません;;
市販でも、この隙間を塞ぐ雀返しは販売していますし、漆喰などで塞いでしまうやり方もあります。
ですが、今回は輸入物の瓦を使っていて、丁度合う物を探すのが面倒だったので、トタンの板を金物ばさみでカットして使うことにしました。
それぞれ、目視で大まかな形にカットして、隙間に合わせて微調整しました。
それを、ステンレス釘で鼻残に打ち付けて固定します。穴を塞ぐのが目的なので、強固に固定する必要まではないと思います。
横方向の瓦の枚数分、必要になるので、結構大変。
これだけで、丸一日近く作業に時間が掛かりました(^^ゞ